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2007/1/29(月) 22:40
小沢代表の代表質問 1 〜生活維新、人づくり〜
2007年通常国会代表質問
民主党代表小沢一郎

【 生活維新 】

民主党の小沢一郎でございます。安倍総理の施政方針演説に対し、民主党の掲げる「生活
維新」の理念、政策と私の所信を申し上げながら、一総理のご意見を伺います。
戦後日本の「中流社会」は、世界で最も豊かで、最も平等な社会と言われ、長い間、日本
人の誇りでありました。ところが、小泉・安倍政権の6年間で、日本は世界で最も格差の
ある国になり、安定と安全を誇ってきた日本社会は、根底から覆されようとしておリます。
所得、雇用、教育、福祉など、あらゆる面で格差が拡大し、地域間、企業間、個人間の格
差はもはや、個人の努カではどうしようもないほど広がってしまいました。勤労者の3分の
1は非正規雇用であり、サラリーマンの4人に1人は年収200万円以下、4世帯のうち1世帯は
預貯金が全くないという惨状であります。生活保護を受けている人たちは、昨年までの5年
間で32%も急増しました。
その結果、日本は今や、生活保護を要する所得以下で暮らしている「絶対的貧困層」の比
率も、平均所得の50%以下の所得しかない「相対的貧困層」の比率も、先進国で最悪クラス
になってしまいました。安倍総理が内閣の重要課題の一つとしている教育でも、GDPに対す
る学校教育費の比率は先進10カ国中最下位であります。今日の日本社会の変容ぶりは、世
界の超高級ブランド店が東京に次々とオープンする一方、満足な食事ができない勤労者や、
十分な医療を受けられない地域が急増していることを見れば、歴然としております。
安倍総理は「憲法改正」こそが、今年の参議院選挙の争点であると強調されてなります。
また、総理在任中に何としても『憲法改正』を実現すると、再三発言しておられます。
もちろん、憲法は国の最高法規ですから大事な課題ではありますが、「民の竈(かまど)」、
つまり、国民生活の現状を直視するならば、国民の生活を建て直し、一新する「生活維新」
こそが、いま全カで取り組むべき最重要の政治課題であります。いま政治が成すべきこと
は「憲法改正」なのか「生活維新」なのか、この国会で徹底的に論議したうえ、参議院選
挙で国民の審判を仰ぐべきであります。まずこれについて総理のご見解をお示しください。


【 改革理念 】

なぜ格差がこれほどまでにひどくなったのか。自民党と官僚の支配する戦後政治は、冷戦
構造の崩壊後、機能不全に陥り、あらゆる制度が改革を迫られました。しかし、自公政権
は政・官・業の癒着ともたれ合いの中で、抜本的な制度改革に手を着けることができず、
市場原理、自由競争の美名の下に、「強者の論理」、「弱者切り捨ての政治」を推し進め、
もっぱら国民に負担の増大を強いることで、財政の帳尻を合わせようとしてきました。

政治の在り方そのものを変え、様々な制度を土台からつくり直さなければ、格差を是正す
ることはできないのであります。第一に、政治は生活であります。どんなに立派なことを
言い、どんなに大きな事業を行っても、「民の竈(かまど)」、国民の生活が向上しないの
であれば、「良い政治」とは言えません。また、政治は本来、社会的、経済的に弱い人た
ちのために存在するのであります。あえて極論すれば、強い人たち、いわゆる「勝ち組」
には政治が手を差しのべる必要はなく、むしろ「勝ち組」に経済・社会を支配させないよ
うに、公正なルールを定めなければなりません。
私たち民主党は、この2つの原点をしっかりと踏まえ、国民の「生活維新』を成し遂げた
いと考えております。そのためには、企業や業界・団体への支援を通じて間接的に国民生
活の向上を図るという戦後政治のやり方を根本的に改め、企業や業界・団体を経ずに国民
の生活を直接支援する仕組みをつくらなければなりません。行政の権限と財源も、できる
だけ国民生活に身近なところに移す必要があります。それが、自民党政治とは決定的に異
なる、民主党の改革理念であります。


【 新しい日本像 】

私たち民主党は、以上の理念に基づき、国民が互いに自立し、透明で公正なルールに基づ
いて、様々な人たちが共生できる日本を創り上げたいと考え、すでに先月、党内の議論を
重ねて、基本政策を決定いたしました。
内政では、政府が公正なルールを策定、運用することで、自由で開かれた経済・社会を実
現すると同時に、その前提として、雇用、社会保障、食料等の面で『日本型セーフティー
ネット』を構築し、格差を是正することを最重要課題といたします。
外交では、一つには人間と人間、国家と国家の「共生」、つまり、日本および世界の平和
の確保を、もう一つには人間と自然との「共生」、つまり地球環境の保全を、日本が率先
して進めていくことを国是といたします。特に、米国とは本当に対等な真の同盟関係を築
く一方、中国、韓国をはじめアジア諸国との多角的な信頼関係の確立に全カをあげてまい
ります。
そのような8分野にわたる基本政策のうち、内政問題に絞って喫緊の課題について私たち
の基本方針を申し上げながら、総理のご見解を具体的に伺います。


【 人づくり 】

最初に申し上げたいのは、何と言っても人づくり、教育の問題であります。資源の乏しい
日本にとって、人材こそが最大の財産であるにもかかわらず、今日の日本社会はまさに、
心の崩壊、教育の崩壊としか言いようのない状況であります。手殺し、親殺し、兄弟姉妹
の殺し合い、子供たちのいじめ、自殺など、耳を塞ぎたくなるような事件が毎目起き、
「恥の文化」とも言われる日本人古来の高い道徳性は失われてしまったようにみえます。
これはすべて、子供たちの問題ではなく、私たち大人の責任であります。その苦い自覚の
上に立って、子供たちに正しいしつけと教育を行い、自立した「よき日本人」を地道に育
てていく以外に、日本社会を立て直す方法はありません。私たち民主党が先の臨時国会で
日本国教育基本法案を提案したのは、そのような問題意識に立ち、現行教育制度の致命的
な欠陥を是正しようとしたものであります。つまり、占領政策の一つとしてつくられた戦
後の教育制度は、国も地方自治体も誰も教育の責任を負わないという無責任体制であり、
教育問題をここまで深刻にした最大の原因であると考え、国、地方、保護者の責任を明確
にしようといたしました。
しかし、自民・公明両党が強引に成立させた改正教育基本法は、教育改革の根拠規定さえ
なく、占領下でつくられた現行教育制度をそのまま前提としております。無責任体制が何
も変わっていないことは、先月まであれほど論議になった学校でのいじめ問題や、必修科
目の未履修問題で、国も地方自治体も誰も責任を取らず、教育現場に責任を押し付けただ
けに終わったことを見れば明らかであリます。'
総理は『戦後体制からの脱却』の課題として、「憲法改正」と並んで「教育再生」を掲げ
ておられますが、総理の「教育再生」論は教育問題の本質から外れているのではないでし
ょうか。先の国会での党首討論に続いて、改めて総理のご認識をお聞かせください。