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2002/3/31(日) 03:23 |
| 辻元事件で、深く問われるべきもの |
田中真紀子外相を巡る混乱(あまりに多くて詳細は省略)、鈴木宗男氏の疑惑(これもあ
まりに多くて詳細は省略)に引き続いて、加藤紘一氏の政治資金法違反と脱税疑惑。すべて
自民党政治の腐敗と末期症状を示す事件だが、ここにきて追及の旗手社民党の「辻元清美」
議員の政策秘書の名義貸しと給与詐取が発覚。昨日(3月29日)の本会議で、辞職の申し出
が了承され、辻元清美議員の失職が決まった。
「辻元清美」議員は失職し、「鈴木宗男」議員は議員のままで、居直りの様相である。
「居直り」を放置すれば、「国益阻害」「政治の私物化」「暴力性」など全ての点で、「罪
軽き者を追放」、「未曾有の罪人は放免」ということになり、バランスを著しく欠くことに
なる。「駐車違反で免許取り消し」「飲酒ひき逃げでお咎めなし」。こんなことが横行して
この国が良くなるはずがない。また、子供達はけして鈍感ではない。おとな、とりわけ政治
の世界で、こんな「不合理、不正義、不平等」が跋扈することを放置すれば、子供達は、こ
れを模倣し、「居直れば勝ち」と思うだろう。これほど非教育的な事はない。「鈴木宗男」
議員はこの面でも、重い「罪」を犯すことになる。
さて、最近の政治状況をみるに、日替わりメニューのごとくスキャンダルが噴出し、本当
に問われているテーマを見失いがちである。永田町の国会のほかに「スタジオ国会」が頑張
っていることもあって、政治テーマも日々刻々移ろいがちである。辻元問題も、来週あたり
は、「あの党、あの議員にも名義貸し」で大騒ぎになって、「鈴木問題」は過去の問題にな
りはしないか。この繰り返しが日本の政治の進化を止めてきたように思える。
政治家やマスコミや、そして国民の皆さんが、事件が提起した「政治の本質的問題」を冷
静に、知的に見極め、解決するまで追及することが、この国の政治を進化させる絶対条件で
はないか。そ う思えてならない。
「本質的問題」とは何か。
第一に、「辻元清美」議員の辞職によって、はるかに重い鈴木宗男氏と加藤紘一氏の辞職
は当然 ということである。「そうはさせじ」と目論む勢力が潜んでいるのも事実だが、こ
の二人の「辞職」なくして「正義」はない。秘書の名義貸し問題がいかに拡散しようとも、
この「本質的問題」を忘れてはならない。
次に問われるべき「本質的問題」は、制度の問題である。勿論、辻元議員は法律に違背し
ており、「他人もやっている」などの言い訳は、通用するはずがない。しかし、私は今度の
事件を、制度の見直しの契機にすることは、極めて重要であると思っている。
では、現在の制度はどうなのか。
国会議員の公設秘書は、政策・第一・第二秘書の3人であり、その給与は国家公務員の給
与体系をほぼ準用している。政策秘書は資格(政策秘書試験や司法試験・国家公務員上級
職合格の資格、10年以上の公設秘書経験)を要し、高給である。一方、地元で働く私設秘
書に、公設秘書と同じ給与を渡せるだけの裕福な議員はまずいない。そこに国会議員の大
半が悩みを持ち、問題の辻元さんは(架空政策秘書の疑惑もあるが)一種の秘書給与の
「シェアリング」に及んだ。
私は、政治の世界に官僚の世界の「俸給表」をあてがっていることそのものが、ナンセ
ンスであり、あてがわれて、それに修正をしたら失職するシステムを甘受してきた政治家
が愚かと思う。23歳の司法試験合格者が政治の経験もなく、選挙の苦労も知らず、地元で
苦労してきた私設秘書の3倍の給料を貰うことがおかしいし、その調整をしたら違法・失
職ということはさらに滑稽ではないか。
ちなみに、米国では、議員秘書の給与は、国が与えた秘書給与の総額の枠の中で、議員
が配分する事となっており、今回のような問題は起こりようがない。そして最大の選挙区
カリフォルニア州の上院議員に配分された「秘書給与総額」は優に2億円を超えるという。
議員秘書にあてがわれた「官僚の俸給表」、議員の裁量や調整が許されない公設秘書給
与、驚くほど狭く外国のお客を案内するのが恥ずかしい議員会館の部屋、役所の幹部には
あって議員にはない公用自動車、党に全てを上納し議員にはこない立法事務費。
これが国会議員の昔ながらの「政治環境」です。
かっては、豪邸を建てた田中角栄さんのように、国に頼らないいろんな「政治資金シス
テム」があったのでしょう。今はどうか。中央官庁の局長ぐらいの国会議員の歳費、政治
献金もパーティも年々制約。真面目でしかもバリバリ働こうとする国会議員にとって、本
当のところ「政治活動のインフラ」は極めてお粗末・寂しい限りといわざるを得ません。
鈴木宗男・加藤紘一・辻元清美の3議員の金にまつわる問題、黒子の秘書の連続汚職事
件。その根底には、こんな「政治活動のインフラ(基盤)」の脆弱さがあることを指摘し
たいものです。辻元氏はその脆弱な地盤に足をとられまさに失脚し、鈴木宗男氏と加藤紘
一氏の秘書はその軟弱土壌の中で、異様に大きい動物に化けたといえるのではないでしょ
うか。
私は、
○ 真面目な政治活動として許容できる資金枠(国費の場合も自助努力で調達する
場合も)を、明確にあたえ、
○ 秘書給与の枠と議員の裁量の余地を広げ、
○ その使途・配分をすべて公開させ(虚偽の報告は議員失格。公認会計士の監査
を義務付けしてもいい)、
○ その是非は有権者が選挙で下す。(この議員は私欲を肥やしすぎ、だから落と
す)
こういう、政治システムこそが「真面目にバリバリ仕事をする」国会議員を育てるので
はないでしょうか。
奇麗事という蜘蛛の巣を張り巡らし、自在に飛ぼうとする鳥が引っかかり、地中にうご
めく動物だけが肥大化し、実権を握っていく。
こんな矛盾に満ちた今の政治を改革する絶好の機会。私はこう思います。
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