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2004/11/1(月) 22:18 |
| 香田さんの犠牲と日本のとるべき道 |
○ 香田証生さんの死を悼む
イラクで武装勢力に拘束されていた香田証生さんが、昨日(10月31日)首をはねられ、
アメリカ国旗に包まれてという、悲惨極まりない姿で発見されました。同じ福岡県人とし
て、残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。
○ 一線を越え、「親しみ」から「憎しみへ」
さて、今度の事件に対し小泉総理ほか政府は、拘束の一報を得るや真っ先に「自衛隊の、
撤退なし」と表明、犯行武装勢力との交渉の可能性を、冒頭から断ち切りました。何故こ
ういう対応になったか。今後のために深く分析しなければならない問題が潜んでいるよう
に思います。
まず、日本の関与への評価が、「ついに一線を越えた」ことによって、今度の事件が起こ
ったことです。香田さんの軽率さを真っ先に批判するむきがありますが、現地の状況は、
サマワの自衛隊基地に迫撃砲が打ち込まれるなど、日本を標的にする流れが急です。親日、
平和国家、技術への尊敬といった、これまで日本が営々と築いてきた評価は、アメリカと
イラクの殺戮戦と硝煙のなかで消え去りつつあり、これからは、「日本はアメリカと一体
」「日本人はアメリカ人と同じ」、「親しみ」から「憎しみへ」という段階に入りつつあ
ります。星条旗に包まれた日本人・香田さんの遺体は、その強烈なメッセージのように思
えます。
○ 外交なき戦争加担
次に、「情報収集」「交渉」「駆け引き」という「外交」を完全に放棄したことが、問題
にされなければなりません。「情報収集」「交渉」「駆け引き」は、商売はもちろん、日
常生活でも当たり前のこと。邦人保護という外交の本質部分でこれが行われないとすれば、
日本には外交は無いといわざるを得ません。
もともと情報収集力の無さを指摘される外務省ですが、今回は情報ルートがまったく無い
うえに、この危険な状況で外交官は1歩も外にでない状況だったと聞きます。こんな無責
任体質のままだと、同じ悲劇が幾度も繰り返すでしょう。
今回のイラク派遣は、そもそも「外交なしの戦争加担」ではなかったでしょうか。「拉致
問題」「北朝鮮外交」にも共通する、「外交の機能不全」を放置したまま、「イラク参戦」
という国家の重大決定をしたところに、今回の悲劇があり、これからの悲劇があるように
思えます。
○ いまこそ「イラク戦争」を検証せよ!
「大量破壊兵器の存在」が、イラク戦争の大義でした。わが国のイラクへの自衛隊派遣も
まさに、これでした。これが戦争を始めたアメリカで否定された今なお、小泉総理は「イラ
ク参戦」を振り返ろうとしません。オランダは、サマワに駐屯するオランダ軍の来春撤退を
決めました。今後は、そうなれば自衛隊は基地を自分で守らなければなりません。イラク武
装勢力との銃撃戦が、目の前に迫っているといっても大げさではありません。そんな事態が
発生した後、どう事態を収拾するのか。ますます、選択肢が少なくなり、泥沼まで行くしか
ない状況になるのではないでしょうか。
「大量破壊兵器の存在」の否定、最近のテロと犠牲者の増加、掃討と報復の泥沼化、オラ
ンダなどの撤兵、そして邦人の犠牲を機に、日本の発意で「国連によるイラク戦争の検証」
を実施すべきです。これは、泥沼化が避けられないこの戦争を収束させる数少ないチャンネ
ルであり、日本が大義ある撤退をする道でもあります。
明日に迫ったアメリカ大統領選挙の結果次第では、直ちにとれる日本の外交イニシアティ
ブなのです。
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